まだまだぬるい迷路の中

勇気もハッタリもなくなった私

不安で誰かに寄りかかりたい。

人混みを歩くと

何度も人にぶつかりそうになった。

今まではどんな場所でも

迷わず歩けてたのに

この弱った自分と向き合って

飼い慣らさないと次には行けない。

ちゃんと自分で立ち上がるには

もう少し時間がかかりそう。

私は実感が欲しくて

彼とのLINEや写真を見返す。

キスをしても実感できない時は

彼の頬に触れてみる

それでもだいたいダメだった。

写真を何度見返しても

私の隣にいるひとが誰か知らない。

住んでる場所も会社も知ってるのに

仕事の細かい内容も

友達の顔も知ってるのに

身体の感触も味も覚えてるのに

この人は私の人生とは交わらない人。

そうだ

夢の中にしか彼は存在しないんだ。

そう思ったら納得できた。

それが分かっても

また泣いてしまいそう

どんどん元気がなくなって

彼の前でも笑えなくなった。

桜の木の下で

この絵を見たら

私まだ生きてたいって思った。

この絵がある世界に

私は今日も生きてる。